松本畳襖店トップイメージ

襖(ふすま)は、日本の伝統的な建具で、主に部屋の仕切りや扉として使われています。
その歴史は非常に古く、襖の起源は日本の平安時代(794-1185年)にさかのぼるとされています。

襖の起源と発展

1 奈良時代以前の原型(710-794年)

襖の原型とされるものは、奈良時代以前に中国から伝わった「屏風(びょうぶ)」や「簾(すだれ)」などの装飾具と考えられています。これらは部屋を仕切るための簡単な道具であり、襖のような機能を果たしていました。

2 平安時代(794-1185年)

襖の本格的な登場は平安時代とされています。この時期には、襖は貴族の邸宅や寺院で部屋の仕切りとして使用されていました。特に、「寝殿造(しんでんづくり)」と呼ばれる平安時代の宮廷建築様式で、襖は室内の仕切りとして重要な役割を果たしました。この頃の襖は、木の骨組みに紙を貼ったもので、簡素な作りが特徴でした。

3 鎌倉時代から室町時代(1185-1573年)

鎌倉時代から室町時代にかけて、武士階級の台頭とともに住宅様式も変化し、襖もその用途とデザインが進化しました。特に、禅宗様式の寺院建築において、襖絵が施されるようになり、美術的な価値が高まっていきました。金箔や絵画を用いた豪華な襖絵は、当時の建築文化を象徴するものとなりました。

4 安土桃山時代(1568-1603年)

安土桃山時代は、襖の装飾が最も華やかだった時期です。この時期には、茶室文化の隆盛と共に、襖も茶室の重要な要素として発展しました。茶室の襖には、控えめな装飾が施されることが多く、茶道の美意識である「わび・さび」の精神が反映されました。一方で、大名や豪商の邸宅などでは、狩野派や琳派といった絵師たちが手がけた豪華な襖絵が描かれ、これらの襖は絵画としても高く評価されています。

5 江戸時代(1603-1868年)

江戸時代になると、襖は庶民の家屋にも広まり、より一般的なものとなりました。武家屋敷や町屋の家屋では、襖が部屋の間仕切りや、通風や採光を調整するための重要な要素として使用されました。また、襖のデザインも多様化し、職人たちの手によるさまざまな技法が駆使されるようになりました。江戸時代には、襖の表面に和紙を貼る「紙襖」と、布を貼る「布襖」が登場し、それぞれの用途や好みに応じて使い分けられました。

6 明治時代以降(1868年~)

明治時代以降、西洋建築の影響を受けつつも、和風建築の中で襖は依然として使われ続けました。日本の伝統建築を守りつつ、現代的な技術や素材が取り入れられた襖も登場しました。今日に至るまで、襖は日本家屋の美しさと機能性を象徴する建具として愛されています。

襖の役割と美術的価値

襖は単なる仕切りや扉としての役割だけでなく、美術的な価値も高いです。特に、襖に描かれた襖絵は、日本の伝統絵画の重要な一部とされています。狩野派、琳派、円山応挙などの多くの画家たちが襖絵を手がけ、寺院や城、茶室などに豪華で美しい襖が数多く残されています。
襖は、その美しさと機能性から、日本の建築文化や美術の歴史において重要な位置を占めています。現代でも、新しいデザインや技法が取り入れられながら、伝統的な建具として広く使用されています。

今後の襖

襖はそのデザインや機能性から、日本国内だけでなく、海外の住宅や建築にも取り入れられる可能性があります。特に和風のミニマリストデザインや持続可能な建築材料が注目されている地域では、襖が新たな建具の選択肢として採用されることが考えられます。これにより、襖は国際的な住宅市場でも利用される機会が増え、多様な文化やスタイルとの融合が進むことがあるかもしれません。
また、デジタルアートやプロジェクションマッピングなどの最新技術を用いた芸術領域や、IoTなどの様々なテクノロジーを使った襖が登場してくるなど、未来の襖の形は、私たちの想像をはるかに超えた可能性を持つと考えられます。 松本畳襖店では、お客様の生活やその時代に合った襖を考え続け、伝統と快適さを提供できるように努力していきます。